2012年6月12日火曜日

柄の曲がったワイングラス

学生時代に学会でスウェーデンに行った帰りにストックホルムの土産屋に入った際の話です。友人への土産を探していたところ、柄が曲がって面白い形をしたワイングラスを発見しました。洒落が利いていると思い早速購入したのですが、商品以上にお土産としての価値を上げたのがその後の展開でした。

Hur mycket kostar det? (自分:お幾ら?)
Ett hundra..... (店員:百ちょっと.....忘れました)
Protar du svenska?  (店員:スウェーデン語話せるの?)
Nej (自分:いいや)
Here you are.(店員:(笑顔で)どうぞ)

んっ???実はこの店員さん、ガラス製で柄の曲がったグラスをそのまま裸でくれようとしたんです。日本では考えられませんね。流石に、これでは持ち帰り不可能なので箱と緩衝材をお願いしましたが、まあ、こんなもんです。いいとか悪いとかではなく、彼の責任範囲外なんですね。とまあ、お土産以上に土産話が出来たというお話です。

その後1年間スウェーデンに住む機会が有りましたが、やはりこの辺り感覚は日本とは相当違います。引越しの荷物でさえ、特別に電話して交渉しないと直接アパートには届けてくれません。(住所、連絡先を知っているのにです。)これは別にスウェーデンに限った話ではなく、世界中何処へ行ってもこの手の感覚の違いを体感することができると思います。

海外では基本的に黙っていて進む事はないと思うのが妥当ですし、勝手に気を遣ってくれる事も無いと考えた方が精神衛生上よろしいです。だからという訳なのか、私が見た印象では、欧州の人々は既についた話に関しても、ひっきりなしにコミュニケーションを取りながら進める場合が多いです。恐らく、それをしないと止まってしまうんでしょうね。

こういうところで、どうやって工業製品の品質を維持するのか?これに関しては、土台となる思考様式や人々の均質性という点が日本とは全く異なるので、かなり大胆な発想の転換が求められます。実は、国際的な規格や監査基準はこのような混沌とした状況での生産を前提にしています。従って、日本人には中々馴染めないところも多いと思います。実際、日本ではこれまでも品質の高い製品を世界に送り出しているのですが、日本的な管理方法そのままではそれらの監査基準を満たすことができないという事が起こり得ます。

まあ、わかりますよね。「日本の工場をそのまま隣国に持って行ったらどうなるのか?」という話です。必要なのは、コダワリやマゴコロではないのです。細かい話は、別の機会に、

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