2016年12月28日水曜日

傾斜地対応の設計/シミュレーション/施工

3Dモデリング→PVSyst

弊社では、これまでもPVSystを用いた太陽光発電システムの設計/シミュレーションを行って参りましたが、このところ、傾斜地での三次元設計やシミュレーションの需要が高まっていることから、三次元の複雑な地形での設計を効率的に行なう体制を整えました。具体的には、三次元モデリングソフトのデータをシームレスにPVSystに取り込むもので、これにより様々な設計需要に応えて行こうと考えております。

3D曲面にパネルを配置した例です。土地の起伏がわかる様に境界をフェンス状にしています。


傾斜地での架台施工

実は弊社および株式会社RGBでは、これまでにも傾斜地対応の施工には力を入れて参りました。実際の土地には起伏があり、適切な施工方法を選ばないと余計な造成コストがかさんできます。近年、固定価格買取制度による買取価格が低下し続けている現状を考えれば建設コストの低減が重要なことは言うまでもありません。

造成コストを上げない為には、傾斜地でも施工できる架台が重要になります。一般の架台でも杭の頭を揃えれば施工することは可能です。さらには、見た目もその方が綺麗ですが、場所によって杭の根入れが変わってしまい、強度の予測が困難になり強風や積雪での破壊リスクと直結しますので、専用の「地なり」の傾斜地用架台をお勧め致します。

弊社では基本的に架台を東西の傾きに合わせて傾斜させられるタイプの架台を推奨しております。他にも、架台のポールを伸縮させて設置できるタイプもあるのですが、以下の様な懸念から基本的には採用しておりません。


伸縮タイプの架台が心配な理由


  • 杭の上部構造の長さが場所によって変わることで強度の不均一が起こる
  • 杭の伸縮は現場判断のみで進む為、設計の視点がどこでも入らない
  • 構造に対しての見識がなさそうな人(会社)が得意気に使っている(個人の感想です)
構造の強度が不均一だと座屈などが起こる可能性が高まります。座屈というのは、簡単に言うと捻れなどを伴いポキっと折れてしまうことです。日常の経験からもわかるとおり、座屈という現象は力の大きさ以上に向きや、長さなどに影響される非常に不安定で予測困難なものです。一般的な構造計算では、座屈や動きの中でのダイナミカルな強度までは計算できているとは言い難いのが実状なので計算値が出ているからと言って鵜呑みにしてはいけません。変な力がかかると予想外に小さな力で構造物は破壊されると思った方が良いです。その為、構造物の強度の予想がしにくくなるような要素は極力排除し、杭の根入れも、上部構造の長さも設計者がある程度予想できる範囲に留めておく必要があります。




2016年12月14日水曜日

アルバイト募集

太陽光発電所建設工事

〈作業内容〉
結線作業、フェンス設置、ゴミ片付けなど。弊社関連会社での勤務
〈待遇〉
昼食付き、日当11,000円(日払い9,000円)、群馬県太田市に集合、現場まで送迎。
〈備考〉
社員募集中、職場見学を兼ねての応募大歓迎!年齢国籍不問(ただし、不法在留は即通報)

〈選考〉
必要な情報を自ら収集し適切に応募希望を伝達し、安心感を与えられること。

2016年12月9日金曜日

レネソーラー(Rene Sola)に対する公開質問状を準備中です。

弊社は、弊社が調達した茨城県茨城町(DC1929kWp)に設置されたレネソーラー社製の太陽光発電パネル(JC255M-24/Bb)の絶縁抵抗値が、運用開始後に低下しパワコンの地絡電流検出のしきい値を上回ってしまい発電所の運用に支障が出ている件に関して、レネソーラ(Rene Sola)ジャパン及び中国本社に対して技術員の派遣及び調査を依頼致しました。その回答として、2016年12月5日午後11:52にレネソーラジャパンの営業の新井良子氏より中国本社からの報告書が送付されてきました。(以前に二回ほど無記名・無署名のドラフトのようなものが送られてきた経緯はありますが、弊社としては今回の報告書を初版として認識しております。)

弊社としては報告書の内容(基本的な事実認識、技術的な見解、測定事実を元にした論理の展開など)に関して明確な疑義があったので、同社および新井氏に繰り返し電話などで返答を求めようと試みました。しかしながら、2016年12月9日までの時点では同報告書を送付した新井氏とは一切の連絡がとれておりません。尤も彼女は営業担当であり、本件の直接の当事者ではないので彼女に対する不信感よりも連絡がとれないであろう新井氏にメールを送付させ、その後の質疑を黙殺するかのような態度を取り続けているレネソーラジャパンに対して不信感を抱いているというのが正直なところです。それでも12月9日の15:49の時点で弊社代表取締役の益田が同社に電話したところ、同社テクニカルサポートマネージャーである斉藤守弘氏が電話に応対し、概略以下のようなことを言われていました。

  1.  本件は中国本社が対応しているので日本側ではどうにもできない。(当然、取引関係上、直接の当事者はレネソーラジャパンですが)
  2. 既に、報告書を第3版まで改定する様な対応を行っておりRene Solaとしてはこれ以上の対応はしないと社内決定した。(と中国側が言っていると斉藤氏が言っていた。)
そこで、弊社としてはこのままではレネソーラより実のある回答を期待できないことから公開質問状を準備し、質問を公開するとともに同社に対して誠実な回答を求めて行くという方針を決定致しました。公開質問状は近日中に日本語/英語/中国語でまとめ弊社ブログで公開する予定です。


現状、弊社、当該発電設備の電気主任技術者、パワコンメーカーであるABBの技術員、Rene Sola社の日本法人および中国本社の技術員による現場確認の結果、パワコン、DCメインケーブル、接続箱、ストリング延長ケーブルの絶縁抵抗値が十分に高い値になっているにも拘らず、設備全体の絶縁抵抗値が低い値になっており、DC部分の絶縁抵抗値が全体の傾向を支配していることが確認されております。更には、モジュール単体の絶縁抵抗値とストリングの絶縁抵抗値及び、接続箱にストリングが接続された状態の絶縁抵抗値が理論的に予想される関係になっていることから、DC部分の絶縁抵抗値が低い原因は、ほぼ全数のモジュールの絶縁抵抗値が低下していることによるものと考えられる状況になっています。その結果、設備全体の絶縁抵抗値がパワコンの設定値を下回ってしまうという状況が頻発しております。

はっきり言ってこの状態を現地でも確認した上でモジュールの問題を誤魔化そうとPCSやその他の部品の問題を示唆しようとするレネソーラーの態度には拭い難い不信感を感じます。既に、要素が切り分けられた状態でモジュールの抵抗が下がっていて、それによる漏電電流が大きくなっている事は確認済みです。

この状況下でもレネソーラ(Rene Sola)はパネル1枚あたりの絶縁抵抗値はIEC61215で定められた値からモジュールサイズを勘案し計算した値である約25MΩより高いという点を繰り返し主張しているようです。しかしながら、同社を含むモジュールメーカーは750MΩ~1000MΩを工場出荷時の規準としており、通常のパワコンの絶縁抵抗検出の設定などから考えても、特にセントラルインバーターのシステムで使用する際には、モジュールの絶縁抵抗値は出荷時の値の数分の1程度には収まって貰わないと実用上の問題がでるというのが実状です。このような状況を考慮すると、IECの最低限の規準と工場出荷時の規準の間に何らかの品質保証上の規準があるべきと考えます。そうでなくてはメガソーラーには使用できないモジュールということになってしまいます。また、使用開始後、数ヶ月で絶縁抵抗が著しく低下する状況は風雨の影響を考えても容易には受け入れ難く、製造や品質管理上に問題がなかったかも気になるところです。

<次回に続く>
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