2016年12月28日水曜日

傾斜地対応の設計/シミュレーション/施工

3Dモデリング→PVSyst

弊社では、これまでもPVSystを用いた太陽光発電システムの設計/シミュレーションを行って参りましたが、このところ、傾斜地での三次元設計やシミュレーションの需要が高まっていることから、三次元の複雑な地形での設計を効率的に行なう体制を整えました。具体的には、三次元モデリングソフトのデータをシームレスにPVSystに取り込むもので、これにより様々な設計需要に応えて行こうと考えております。

3D曲面にパネルを配置した例です。土地の起伏がわかる様に境界をフェンス状にしています。


傾斜地での架台施工

実は弊社および株式会社RGBでは、これまでにも傾斜地対応の施工には力を入れて参りました。実際の土地には起伏があり、適切な施工方法を選ばないと余計な造成コストがかさんできます。近年、固定価格買取制度による買取価格が低下し続けている現状を考えれば建設コストの低減が重要なことは言うまでもありません。

造成コストを上げない為には、傾斜地でも施工できる架台が重要になります。一般の架台でも杭の頭を揃えれば施工することは可能です。さらには、見た目もその方が綺麗ですが、場所によって杭の根入れが変わってしまい、強度の予測が困難になり強風や積雪での破壊リスクと直結しますので、専用の「地なり」の傾斜地用架台をお勧め致します。

弊社では基本的に架台を東西の傾きに合わせて傾斜させられるタイプの架台を推奨しております。他にも、架台のポールを伸縮させて設置できるタイプもあるのですが、以下の様な懸念から基本的には採用しておりません。


伸縮タイプの架台が心配な理由


  • 杭の上部構造の長さが場所によって変わることで強度の不均一が起こる
  • 杭の伸縮は現場判断のみで進む為、設計の視点がどこでも入らない
  • 構造に対しての見識がなさそうな人(会社)が得意気に使っている(個人の感想です)
構造の強度が不均一だと座屈などが起こる可能性が高まります。座屈というのは、簡単に言うと捻れなどを伴いポキっと折れてしまうことです。日常の経験からもわかるとおり、座屈という現象は力の大きさ以上に向きや、長さなどに影響される非常に不安定で予測困難なものです。一般的な構造計算では、座屈や動きの中でのダイナミカルな強度までは計算できているとは言い難いのが実状なので計算値が出ているからと言って鵜呑みにしてはいけません。変な力がかかると予想外に小さな力で構造物は破壊されると思った方が良いです。その為、構造物の強度の予想がしにくくなるような要素は極力排除し、杭の根入れも、上部構造の長さも設計者がある程度予想できる範囲に留めておく必要があります。




2016年12月14日水曜日

アルバイト募集

太陽光発電所建設工事

〈作業内容〉
結線作業、フェンス設置、ゴミ片付けなど。弊社関連会社での勤務
〈待遇〉
昼食付き、日当11,000円(日払い9,000円)、群馬県太田市に集合、現場まで送迎。
〈備考〉
社員募集中、職場見学を兼ねての応募大歓迎!年齢国籍不問(ただし、不法在留は即通報)

〈選考〉
必要な情報を自ら収集し適切に応募希望を伝達し、安心感を与えられること。

2016年12月9日金曜日

レネソーラー(Rene Sola)に対する公開質問状を準備中です。

弊社は、弊社が調達した茨城県茨城町(DC1929kWp)に設置されたレネソーラー社製の太陽光発電パネル(JC255M-24/Bb)の絶縁抵抗値が、運用開始後に低下しパワコンの地絡電流検出のしきい値を上回ってしまい発電所の運用に支障が出ている件に関して、レネソーラ(Rene Sola)ジャパン及び中国本社に対して技術員の派遣及び調査を依頼致しました。その回答として、2016年12月5日午後11:52にレネソーラジャパンの営業の新井良子氏より中国本社からの報告書が送付されてきました。(以前に二回ほど無記名・無署名のドラフトのようなものが送られてきた経緯はありますが、弊社としては今回の報告書を初版として認識しております。)

弊社としては報告書の内容(基本的な事実認識、技術的な見解、測定事実を元にした論理の展開など)に関して明確な疑義があったので、同社および新井氏に繰り返し電話などで返答を求めようと試みました。しかしながら、2016年12月9日までの時点では同報告書を送付した新井氏とは一切の連絡がとれておりません。尤も彼女は営業担当であり、本件の直接の当事者ではないので彼女に対する不信感よりも連絡がとれないであろう新井氏にメールを送付させ、その後の質疑を黙殺するかのような態度を取り続けているレネソーラジャパンに対して不信感を抱いているというのが正直なところです。それでも12月9日の15:49の時点で弊社代表取締役の益田が同社に電話したところ、同社テクニカルサポートマネージャーである斉藤守弘氏が電話に応対し、概略以下のようなことを言われていました。

  1.  本件は中国本社が対応しているので日本側ではどうにもできない。(当然、取引関係上、直接の当事者はレネソーラジャパンですが)
  2. 既に、報告書を第3版まで改定する様な対応を行っておりRene Solaとしてはこれ以上の対応はしないと社内決定した。(と中国側が言っていると斉藤氏が言っていた。)
そこで、弊社としてはこのままではレネソーラより実のある回答を期待できないことから公開質問状を準備し、質問を公開するとともに同社に対して誠実な回答を求めて行くという方針を決定致しました。公開質問状は近日中に日本語/英語/中国語でまとめ弊社ブログで公開する予定です。


現状、弊社、当該発電設備の電気主任技術者、パワコンメーカーであるABBの技術員、Rene Sola社の日本法人および中国本社の技術員による現場確認の結果、パワコン、DCメインケーブル、接続箱、ストリング延長ケーブルの絶縁抵抗値が十分に高い値になっているにも拘らず、設備全体の絶縁抵抗値が低い値になっており、DC部分の絶縁抵抗値が全体の傾向を支配していることが確認されております。更には、モジュール単体の絶縁抵抗値とストリングの絶縁抵抗値及び、接続箱にストリングが接続された状態の絶縁抵抗値が理論的に予想される関係になっていることから、DC部分の絶縁抵抗値が低い原因は、ほぼ全数のモジュールの絶縁抵抗値が低下していることによるものと考えられる状況になっています。その結果、設備全体の絶縁抵抗値がパワコンの設定値を下回ってしまうという状況が頻発しております。

はっきり言ってこの状態を現地でも確認した上でモジュールの問題を誤魔化そうとPCSやその他の部品の問題を示唆しようとするレネソーラーの態度には拭い難い不信感を感じます。既に、要素が切り分けられた状態でモジュールの抵抗が下がっていて、それによる漏電電流が大きくなっている事は確認済みです。

この状況下でもレネソーラ(Rene Sola)はパネル1枚あたりの絶縁抵抗値はIEC61215で定められた値からモジュールサイズを勘案し計算した値である約25MΩより高いという点を繰り返し主張しているようです。しかしながら、同社を含むモジュールメーカーは750MΩ~1000MΩを工場出荷時の規準としており、通常のパワコンの絶縁抵抗検出の設定などから考えても、特にセントラルインバーターのシステムで使用する際には、モジュールの絶縁抵抗値は出荷時の値の数分の1程度には収まって貰わないと実用上の問題がでるというのが実状です。このような状況を考慮すると、IECの最低限の規準と工場出荷時の規準の間に何らかの品質保証上の規準があるべきと考えます。そうでなくてはメガソーラーには使用できないモジュールということになってしまいます。また、使用開始後、数ヶ月で絶縁抵抗が著しく低下する状況は風雨の影響を考えても容易には受け入れ難く、製造や品質管理上に問題がなかったかも気になるところです。

<次回に続く>
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2016年11月11日金曜日

茨城県行方市:太陽光発電所1.6MW(AC1.36MW)下の段パネル設置完了

ここのところ秋も深まってきており、茨城の現場ではRGBメンバーが寒さに震えながらも順調に作業を進めております。

現在、下の段のパネル設置が完了し、上の段の架台設置作業が進んでいます。上の3段は法面の傾斜もゆるく、高さも低いので、一続きの地なりの架台を設置します。パネルを奥から設置しており、列が終わるたびにゴミも手前に移動しています。丁度、下の段が終わった関係で入り口付近にゴミが集まりました。集まったゴミはその都度回収され、整理整頓された状態を維持しております。これから電気の作業が本格化しますが、現場をキレイに維持することは、間違いのない施工をする上でとても大切なことです。







注意情報:モジュールの絶縁抵抗に関して(大規模発電設備の運転に必要な実用性能)

モジュールなどアースに接触する要素の数が増えると、それに従って絶縁抵抗値が下がって行くのはごくありふれた現象です。通常の電気工事の際にもアースが出にくいときにはアース棒を多く挿して抵抗値を下げたりします。これは各コンポーネントの絶縁要素がアースに対して並列になっているからで、単純なオームの法則で説明することができます。これは、中学生でも理解可能なごく初歩的な理科の話なので、メーカーの専門エンジニアがどうのというレベルではありません。

しかしながら、昨今の中国などのモジュールメーカーが資金力にものを言わせて最新の設備を導入し世界中にモジュールを輸出している状況では、確かに生産自体は可能ですが、それをサポートするエンジニアリングの体制、更に言うと中学校/高校レベルの学校教育の品質が追いついていない状況が散見されます。例えば、弊社が遭遇した実例として、世界的にも名前が知れたモジュールメーカーでReneSolaという会社があるのですが、この会社のモジュールの絶縁抵抗が運転開始後に著しく低下し発電所の運転に支障をきたしたという事象の対応を同社に求め、最大級のプレッシャーをかけたところ、同社は不承不承、現場のモジュールを10枚サンプルとして中国に持ち帰って工場で検査したと言ってパワーポイントで作成した数ページのレポートを返送してきました。

このレポートの骨子は以下の通りでした。
  1. 現場で測定した絶縁抵抗と工場に持ち帰って確認した絶縁抵抗には若干の違いがあって工場で再測定した結果の方が高い絶縁抵抗値を示していたこれらの測定の際の環境湿度はそれぞれ78%と52%であった従ってこれらの違いの原因は湿度だけである(Only differnce is humidity.原文)
  2. 研究室で湿度を変えて測定すると、湿度が高くなると絶縁抵抗が若干下がることが判った。

結論として、
  1. モジュールの絶縁抵抗値はIEC61215の規格が定める値を満足している。(60セルの通常のモジュールでは約25MΩ以上)
  2. 湿度が絶縁抵抗を大きく変える因子である。

上記の様な余りにも素朴な内容でした。湿度が絶縁抵抗に影響を与えるのは当たり前の話であり、問題はその程度です。他にも内容的にはかなりの無理筋で、そもそも、上記1の環境条件を湿度しか確認していない状況で、「原因は湿度しかない。」と断定できる基本的なセンスは徹底的に疑わなければならないものです。更には、ごく日常的な湿度の範囲である52%や78%で致命的な影響がある事自体を見過ごす態度は、屋外で使用するものを販売する気がないとしか思えません。


また、このレポートを受け取った後に弊社から、「IECの規格値でメガソーラー級のモジュールを並べると必然的にPCSの安全装置が働いてしまうので、御社のモジュールはメガソーラーでは使えないのではないか?」と問い詰めたところ、彼らの中国本社のエンジニア達(5~6名)は、枚数が増えると全体の絶縁抵抗が下がるという事実自体を否定したうえで、上記レポートの内容を繰り返す状態でした。弊社では、同社の本社の品質管理部門に直接電話した際の録音なども保管しておりますが、エンジニアや責任者と称する人たちが数名集まって全員で相談しながら中学生以下の頭を絞っている姿には愕然と致します。

また、中国のエンジニアが現場に派遣されて来た際には、指摘されるまでモジュールの抵抗値をフレームのアルマイト塗装の上から測定し続けておりました。こちらが指摘して塗装のない部分で正しく測らせたときには、明らかに驚いた様子でした。その状況からもはっきり言って中国の工場での測定に関しても最大級の疑いをもっております。


ただ、以下の様なニュースも報道されているので余談を許さない状況なのかも知れません。

尚、以下の情報は一般に報道され、インターネットで閲覧可能な情報であり、弊社及び関係者のビジネスとは一切の関係はございません。

ReneSola Receives Notice From New York Stock Exchange ReneSola社ニューヨーク 証券取引所から上場廃止の警告を受領する

詳細はリンクをご覧頂ければと思うのですが、終値の平均が上場継続基準から逸脱しているとのことのようです。

追記:
本日ReneSolaの本社より弊社にSkypeで連絡が来ました。その際に開口一番、何の根拠もなくPCSメーカーであるABBに問題がないか示唆したり、接続箱、コネクター、ケーブルの可能性を持ち出したりしてきました。
しかし、彼らのエンジニアも現地でモジュールを他の要素から切り離した状態で問題を確認した筈であり、最低限の事実関係は確認した上で連絡すべきだと思っております。何とも、遺憾な状況です。

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2016年10月28日金曜日

もし、遠隔監視システムがなかったら

先日、知り合いの低圧の太陽光発電設備をお持ちの方から電話がありました。何でも、売電開始からちょうど1年経過したところで、昨年と売電量を比較すると約4万円程売電量が少ないとの話でした。その方の発電所は自宅に隣接しており、常時見回りが可能ということで、特に監視機能は用意していなかったそうです。また、パワコン自体には表示機能がないものの、動作音などで起動状態も最低限確認可能だと思われたそうです。

しかし、このような場合、曲りなりにもパワコンが起動している状態では、なかなか設備が健全に動いているかどうかの判断は難しのが現実でした。実際、動作音も聞こえるし、売電量を見ても設備のせいなのか天候のせいなのか判別は困難でした。たまたま、弊社で近隣に発電所をもっていたので、同時期の発電量を今年と去年で比較したところ、今年のほうが天候に恵まれており、多く発電していたので、そちらの発電では、何らかの不具合があって発電量が落ちていることは間違いないでしょう。

今回は1年という節目で気が付いたので、今後速やかに修理を進めれば良いわけですが、本当の問題は、「いつから?」問題が発生しており、「どのくらい」の損失が出たかではないでしょうか?単純に5台あるパワコンのうちの1台が完全にだめになると少なくとも20%の損失が確定します。当たり前ですが、これは非常に大きな数字であり長期間に渡る返済計画にも大きな影響が出ることも必至です。今回もいつから問題があったか皆目検討がつきません。

この方の様な低圧案件ですと、20万円程度の初期投資で遠隔監視システムの設置が可能で、年間ランニングコストも3万円以下で済みます。弊社としては、このような遠隔監視システムは太陽光発電設備には必須のものと考えており、弊社や関連会社での施工案件以外でも積極的に遠隔監視システムの設置を進めております。

また、遠隔監視システムを導入した状態での長期間のO&Mサービス(オペレーション&メンテナンス)も提供しております。常時監視、定期点検、メンテナンスなどを合わせて行なうことで20年間という長期の売電収益がより確実なものになります。

先ずは、設備能力の簡易診断も承っておりますので、お気軽に連絡を頂ければと思います。(監視装置がない場合でも設備能力の現場での評価が可能です。


サービスエリアは以下の都県です。
群馬県埼玉県栃木県茨城県福島県長野県東京都千葉県神奈川県 但し、O&Mサービス(提携先紹介を含む)や遠隔監視装置の設置などのご相談は全国どこでも対応致します。低圧からメガソーラーまで何でも対応致します。パンフレット 

株式会社I-S3 
群馬県高崎市あら町129-1 小池ビル3F
TEL/FAX: 027-381-6583 
s_masuda@i-s3.com



  • お見積は無料!
  • 遠隔監視システムの設置も行います。
  • 収益を最大化するための発電設備の改良、増設の提案も行います。増設施工例(群馬県伊勢崎市:AC303.6kW)
  • 初期点検による設備の健全性の確認(健全な設備になっていれば売電量が、もう少し多いかも知れません。)
  • 低圧からメガソーラーまで対応致します。
  • 草刈りや発電所の排水問題の解決も承ります。


2016年10月26日水曜日

茨城県行方市:太陽光発電所1.6MW(AC1.36MW)パネル取り付け中

全体の約半分のパネルの設置が完了しました。今後、残りのエリアのパネル設置や配線工事なども進んでいく予定です。12月上旬にPCSの搬入、1月の連系になる予定です。

次回以降に紹介しますが、接続箱はスペインのInnergy社製の弊社設計要件に合わせて特注したものを用い、配線の材料代と人工代を節約し、送電ロスも大幅に低減します。また、弊社案件では全てに共通なのですが、今回もストリング毎の監視が可能な遠隔監視システムを設置し、20年間の売電収益を確実になものにします。遠隔監視システムにも処理が早くて細かい分析が可能なことに定評のあるGreen Power Monitor社のシステムを採用します。これらの接続箱、監視システムは国内でも条件の厳しい水上ソーラーなどにも採用されている極めて信頼性の高いものです。








段差のある部分は調整可能な架台を用いて滑らかに地なりに設置しています。架台はRBI Solar製で、大型の杭打機で施工するため、作業効率もよく、短期間で施工可能。

2016年10月21日金曜日

太陽光発電診断

50kW以下の低圧や2MW以下の高圧連系の太陽光発電設備では、適切な監視装置がついていないものも非常に多いのが現状です。そのような状況では、毎月電力会社から送られてくる売電量の集計を頼りに設備の健全性を推測するしかないのが実状です。但し、これでは本当に設備の能力に見合った収益が得られているのかを正確に判断するのは困難です。設備に何らかの欠陥があると、長期に渡る売電期間の間には損失も相当な金額になってしまいます。実際に、弊社の経験の範囲内でも、調査の結果何らかの改善が必要なケースが多いです。

弊社では、監視装置のない発電所でも、現場での簡易測定により設備能力の評価を行なう事が可能です。先ずは、一度、設備の評価をすることをお勧め致します。お気軽に連絡して下さい。O&M契約ご成約の際は初回の評価費用は無料サービスになります。


関東甲信越、一部東北地方も営業範囲です。電話またはメールでお問い合わせ下さい。
最低限、場所だけでもわかれば対応可能です。

群馬、栃木、茨城、福島では既にO&Mサービスを提供中です。
その他の近隣地域でも対応可能です。(東京、埼玉、千葉、長野、新潟など)

群馬県高崎市あら町129-1 3F
株式会社I-S3 
TEL/FAX: 027-381-6583 
s_masuda@i-s3.com

売電期間の安定収入を確実にするためには、O&M(オペレーション・メンテナンス:保守管理体制)の整備やそれを確実なものにする遠隔監視システムが必要です。但し、それらの検討をする前に、現状の設備の状態を把握だけでもしておくべきです。

2016年10月13日木曜日

O&Mサービスの必要性に関して

太陽光発電所は基本的には黙っていても発電をしてくれるのもではありますが、それは、設備が健全であるという前提の上に立った話です。実際には、発電設備はメンテナンスフリーではありません。安定した運用のためには、それなりの維持管理が必要で、パネルやパワコンに不具合があると思ったようには発電してくれません。実際、落雷その他により被害も多く確認されています。

一般に、高圧(6600V)以上での連系の産業用太陽光発電設備では、電気主任技術者と保安管理業務委託契約を締結して法定の点検を行っています。しかし、パネルやパワコンの詳細までは保守管理できていない場合が多いのが実状です。実際に、設備を安定的に運用し20年間確実に売電収益を確保するためには、現状把握をするための遠隔監視システムの設置と迅速に対応できる保守管理体制(定期点検、駆け付け対応)を整える必要があります。弊社では、発電設備の直流部分まで含めた保守管理サービスは売電収益を安定的に確保するためには必要不可欠なものと考えています。その上で、お客様の安定した売電収益を確保して頂くために保守管理サービス(O&Mサービス)を提供しております。是非、ご検討頂ければと思っております。お見積は無料なので、是非、お気軽にお問い合わせ下さい。小規模の低圧案件からメガソーラーまで対応致します。

O&Mパック20
I-S3ホームページ

駆け付け対応

遠隔監視システムが設置されている場合、設備に何らかの不具合が発生すると、弊社、お客様、及び電気主任技術者などに瞬時にメールが発送されます。その内容を把握した上で、現場への駆け付け対応を行います。軽微な修理はその場で行いますが、部品交換やより詳細な検討が必要なものに関しては別途お見積の上対応致します。

定期点検

定期点検の際には、先ずは遠隔監視システムのデータを精査し異常の有無の確認を行います。弊社ではこれまで立ち上げてきた全ての太陽光発電プロジェクトで遠隔監視システムを導入しデータを蓄積しております。これにより、新設や新たに遠隔監視システムを設置する設備においても、きめ細かくシステムの評価を行なうことができます。

遠隔監視システムが備わっていない設備や新規の設備の場合、現場での簡易測定による発電設備能力の簡易評価も可能です。これらの評価の結果により、必要に応じてストリングのI-Vカーブ測定によるパネルの評価、サーモグラフィーによる確認なども行います。

その他にも、設備の全体に渡る目視点検によりパワコン、パネル、架台、接続箱などの破損の有無や遮蔽物による影の影響などの確認を行います。また、軽微な修理に関しては、定期点検や駆け付け対応の際に年間保守管理料の範囲で行います。それ以上の修理が必要な場合は別途お見積の上対応致します。

トラブル対応

残念ながら太陽光発電設備では、天災や部品不良など様々な原因でトラブルが起こります。多くの場合、設備には保険がかけてあり、主要機器にはメーカー保証もついてはいますが、実際に迅速に修理/補償を進めるためには状況を正確に把握してメーカー等と交渉する必要があります。このためには、専門知識を持った人間が、正確なデータを示して交渉する必要があります。(そのためには、データを記録する遠隔監視システムと専門知識と十分な測定機器を持った会社のサポートが不可欠です。)それ以外にも、特に、パネルは外国製も多く、仮にその会社が日本に事務所を持っていたとしても、基本的には本国のエンジニアや彼らの上司とタフな交渉をする必要が出てきます。この手の交渉は単に英語や中国語ができるというだけでは非常に困難ですし、一般の電気工事店などに任せようとしても全くどうにもならないことだと思われます。弊社では、これまでのメガソーラー事業で培った経験と確かな交渉力を元にお客様を強力にサポートして行きます。

その他

設備の運転に必要な草刈り、パネル洗浄、排水対策、植栽なども承ります。また、既存設備の最適化の為の増設やオプティマイザーの設置などの提案や新設設備の企画/設計/シミュレーションなども行っております。


2016年10月1日土曜日

茨城県行方市:太陽光発電所1.6MW(AC1.36MW)建設中

茨城県行方市の1.6MW案件の工事が順調に進んでおります。

この現場はお客様所有の土地で、全体が4段の構造になって、上3段は養鶏場跡の土間コンクリートが残っており、最下段はゆるい西傾斜という状況です。

この土地になるべく多くのパネルを設置する為に、上3段は法面を滑らかに越える事が可能な架台で一続きに施工する計画で進めております。架台はRBISolar製の横向き4段の架台です。大型の杭打機での杭打ち作業が完了し、約1ヶ月後にはパネルの設置も終わる見込みです。


最下段は水流を横切る形で二本の浸透側溝が掘られており、全体に砕石が敷かれている。



組み上がり、パネルも設置された状態

白河市:東深仁井田2~8発電所 建設中

弊社の福島県白河市の東深仁井田1発電所(各AC39.6kW)は2015年の連系からもうじき1年になります。残りの7区画も今年度中の連系に向け順調に建設工事が進んでおります。弊社では高圧の比較的大規模な案件がメインですが、本件のような低圧案件も保有・管理しながら運転データを蓄積してO&M事業へ活かしたり、新技術のテスト用設備として利用しております。


2016年9月1日木曜日

太陽光発電所増設工事:群馬県伊勢崎市 (DC336kWp → DC402.9kWp)

弊社では、太陽光発電設備の増設計画のサポート及び関連会社による施工を行っております。特に、認定容量の変更を伴わない直流部分の増設をお勧めしております。認定容量の変更を伴わない場合には、従来の買取価格での売電が可能なため、事業の採算性向上の効果が大きく非常に有利です。弊社では、豊富な設計/施工の経験と個々の現場の日照条件を考慮したシミュレーションを元に最適な増設計画をお勧めしております。

下の画像は、弊社及び関連会社で増設を行った群馬県伊勢崎市の太陽光発電所(AC303.6kW)での増設前後の発電量のグラフです。増設を行っていない同様の構成の発電設備と比較すると増設の効果が顕著に出ております。増設を行っていない設備では、6月と8月の発電量がほぼ同じであるとの比較して、増設した設備では8月の発電量が6月の1.2倍程度になっており2割多く発電する様になっております。

パネル増設を行った発電所の月別発電量。増設工事
は7月に完了。8月の発電量と6月の発電量を比較する
と8月の方が2割多くなっています。
パネル増設を行っていない設備の月別発電量。同じパネル及びPCSを使用。増設を行った設備から数kmの距離にあり気象条件は殆ど同じ。6月と8月の発電量を比べるとほぼ同じ値になっている。
発電量が2割程度増えた一方、増設にかかった費用は当初の建設費用を1とすると0.13程度、つまり13%程度の追加費用で済みました。*

*増設の効果は個々の現場の日照条件、PCSの構成、ストリングデザインなどで大きく変わります。


2016年5月9日月曜日

群馬県伊勢崎市303.6kW(DC336.6kWp)系統連系

平成28年4月28日に群馬県伊勢崎市の定格出力303.6kW(DC336.6kWp)のプラントの工事が完了し東京電力の系統に連系致しました。こちらは東側隣接地が倉庫という条件もあり、11台の27.6kWのパワコンを用いて影の影響を切り分けています。この案件は36円の案件で、お客様所有の土地を農転して設置致しました。

平成28年5月8日の発電プロファイルです。順調に最大出力まで到達しピークカットになっている様子がわかります。



群馬県富岡市440kW(DC508.8kWp)

平成28年4月14日に群馬県富岡市の440kW(DC508.8kWp)の太陽光発電所が系統連系しました。本案件では弊社は発電所の設計やシミュレーション(シミュレーションの記事リンク)の段階から関わってきました。この発電所の地形は北東下りの傾斜地で面積も限られていたのですが、お客様の要望で何としてもDC508kWpを詰め込んだ上でも日陰の影響を最小限にして最大の収益を追求するというコンセプの下、数多くの工夫がなされております。施工は群馬県太田市のSolar Boys株式会社が行いました。




ストリング設計

横向き4列の構成ですが、上二段と下二段は別ストリングになっており、上下が混ざって同じMPPTに入力されることがないように設計されています。それにより、冬場に下の段の一部が影になる影響を最小限にし設置パネル枚数を最大化しています。


傾斜地対応の架台

東西方向の傾斜に対応して隙間なくパネルを設置できるように写真の様な角度可変の金具を用いて地なりにパネルを設置しています。これにより精密な造成工事が不要になり、施工期間が短縮でき、土地も有効利用できます。









2016年3月4日金曜日

太陽光発電工事案件(福島県二本松市)



248.4kW(DC302.94kWp) の設備です。航天機電の255Wpの多結晶モジュール(4 bus bar)1188枚からなり、9つに分割された区画毎に設置されたPCS(ABB:TRIO-27.6-TL-OUTD-S2X-400)により日陰や地形の影響を最小限にする最適設計になっています。遠隔監視システムも完備されておりPCやスマートフォンで常時監視できることに加え、不具合発生時には事業者及び電気主任技術者などの管理者に瞬時にエラーメッセージが送信されます。許認可や設計などの企画は弊社(株式会社I-S3)で行い、EPCはSolarBoys株式会社が行っています。






同じく福島県二本松市の低圧太陽光発電所:こちらはJA Solarの265Wpのモジュールを240枚と安川電機PCSを5台用いたシステムです。こちらにも遠隔監視装置を設置しています。お客様は東京の方で、海外を含めて飛び回っている方ですが、どこでも発電量を確認できるので新たな楽しみになっているのではないかと思います。







2016年1月26日火曜日

建設風景

SolarBoysで施工中の福島県二本松市の案件です。キャンプ場や別荘分譲地を作る予定だった土地の有効利用ということで、地権者と事業者のニーズが合って実現に向けて進んでいます。