しかしながら、昨今の中国などのモジュールメーカーが資金力にものを言わせて最新の設備を導入し世界中にモジュールを輸出している状況では、確かに生産自体は可能ですが、それをサポートするエンジニアリングの体制、更に言うと中学校/高校レベルの学校教育の品質が追いついていない状況が散見されます。例えば、弊社が遭遇した実例として、世界的にも名前が知れたモジュールメーカーでReneSolaという会社があるのですが、この会社のモジュールの絶縁抵抗が運転開始後に著しく低下し発電所の運転に支障をきたしたという事象の対応を同社に求め、最大級のプレッシャーをかけたところ、同社は不承不承、現場のモジュールを10枚サンプルとして中国に持ち帰って工場で検査したと言ってパワーポイントで作成した数ページのレポートを返送してきました。
このレポートの骨子は以下の通りでした。
- 現場で測定した絶縁抵抗と工場に持ち帰って確認した絶縁抵抗には若干の違いがあって工場で再測定した結果の方が高い絶縁抵抗値を示していた
これらの測定の際の環境湿度はそれぞれ78%と52%であった。 従って。 これらの違いの原因は湿度だけである、 (Only。 is humiditydiffernce 原文). - 研究室で湿度を変えて測定すると、湿度が高くなると絶縁抵抗が若干下がることが判った。
- モジュールの絶縁抵抗値はIEC61215の規格が定める値を満足している。(60セルの通常のモジュールでは約25MΩ以上)
- 湿度が絶縁抵抗を大きく変える因子である。
上記の様な余りにも素朴な内容でした。湿度が絶縁抵抗に影響を与えるのは当たり前の話であり、問題はその程度です。他にも内容的にはかなりの無理筋で、そもそも、上記1の環境条件を湿度しか確認していない状況で、「原因は湿度しかない。」と断定できる基本的なセンスは徹底的に疑わなければならないものです。更には、ごく日常的な湿度の範囲である52%や78%で致命的な影響がある事自体を見過ごす態度は、屋外で使用するものを販売する気がないとしか思えません。
また、このレポートを受け取った後に弊社から、「IECの規格値でメガソーラー級のモジュールを並べると必然的にPCSの安全装置が働いてしまうので、御社のモジュールはメガソーラーでは使えないのではないか?」と問い詰めたところ、彼らの中国本社のエンジニア達(5~6名)は、枚数が増えると全体の絶縁抵抗が下がるという事実自体を否定したうえで、上記レポートの内容を繰り返す状態でした。弊社では、同社の本社の品質管理部門に直接電話した際の録音なども保管しておりますが、エンジニアや責任者と称する人たちが数名集まって全員で相談しながら中学生以下の頭を絞っている姿には愕然と致します。
また、中国のエンジニアが現場に派遣されて来た際には、指摘されるまでモジュールの抵抗値をフレームのアルマイト塗装の上から測定し続けておりました。こちらが指摘して塗装のない部分で正しく測らせたときには、明らかに驚いた様子でした。その状況からもはっきり言って中国の工場での測定に関しても最大級の疑いをもっております。
ただ、以下の様なニュースも報道されているので余談を許さない状況なのかも知れません。
尚、以下の情報は一般に報道され、インターネットで閲覧可能な情報であり、弊社及び関係者のビジネスとは一切の関係はございません。
ReneSola Receives Notice From New York Stock Exchange ( ReneSola社ニューヨーク 証券取引所から上場廃止の警告を受領する。 )
詳細はリンクをご覧頂ければと思うのですが、終値の平均が上場継続基準から逸脱しているとのことのようです。
追記:
本日ReneSolaの本社より弊社にSkypeで連絡が来ました。その際に開口一番、何の根拠もなくPCSメーカーであるABBに問題がないか示唆したり、接続箱、コネクター、ケーブルの可能性を持ち出したりしてきました。
しかし、彼らのエンジニアも現地でモジュールを他の要素から切り離した状態で問題を確認した筈であり、最低限の事実関係は確認した上で連絡すべきだと思っております。何とも、遺憾な状況です。
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追記:
本日ReneSolaの本社より弊社にSkypeで連絡が来ました。その際に開口一番、何の根拠もなくPCSメーカーであるABBに問題がないか示唆したり、接続箱、コネクター、ケーブルの可能性を持ち出したりしてきました。
しかし、彼らのエンジニアも現地でモジュールを他の要素から切り離した状態で問題を確認した筈であり、最低限の事実関係は確認した上で連絡すべきだと思っております。何とも、遺憾な状況です。
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