パワコンは太陽光パネルからエネルギーを最大限取り出す為にMPPTと言われる仕組みで最適な電流と電圧を求める制御をしながら動作しています。ところが、部分的に影がかかったり、故障したり、傾斜角が異なっていたりすると、その系全体に対して最適化してしまうので各パネルからの出力を効率よく変換することができなくなってしまいます。その為、近年、最適化する範囲を狭くする分散型パワコンや、一つのパワコンに複数のMPPTをもたせたパワコンが増えて来ました。オプティマイザーもこの文脈で出力を最適化する機器で、パネル毎やストリング毎の出力を最適化することで変換効率を高めています。
今回、5.5kWのシングルMPPTのパワコンからパネル(2枚)毎にオプティマイザーを設置するタイプのパワコンに交換したデータが取れたので紹介致します。下のグラフのPCS2(オレンジ)をSolarEdgeのHD wave(5.5kW)に交換したところ、交換したパワコンに相当する部分の出力が目に見えて増加しました。元々、PCS2は影などの影響で日射条件の良いパワコンと比較してやや出力が少なかったのですが、交換後のパワコンの出力は同一施設内で最大のパワコンと同等の出力が得られる様になりました。これは、過積載条件下でオプティマイザーを設置した際の典型的な結果で、5.5kWパワコンが出力し得る最大限の出力を出している時の特徴です。
シングルMPPTのパワコン9台からなる発電所のパワコンのうち、PCS2だけをオプティマイザーを用いたマルチMPPTシステムに変更した際の変化。明らかにオプティマイザーを用いると出力が増えることがわかる。 |
0 件のコメント:
コメントを投稿