2017年6月30日金曜日

たかが5%されど、 : オプティマイザーの話

太陽光発電所は、障害物による影やパネルの劣化による発電能力のバラツキなどが原因で、思うように発電できない(できていない)ということがあります。

それらの影響を最小限にする手法として小型(数kW~数10kW)のストリングインバーター(パワコン)を用いて、より少ない数のストリングの束を最適化する方法があります。

一般に小型のパワコンを多数台設置する場合、大型のパワコン(セントラルインバーター)を用いるシステムよりも建設コストが高くなる傾向がありますが、山中などで障害物が多い環境などでは初期コストを上回る利益が得られることが知られており、多くの案件で小型のパワコンが採用されています。

大雑把に言うと、明らかに障害物があるような山中やゴルフ場、建物の隣などの環境では計画時から小型パワコンの設置がお勧めです。

しかし、既に大型のパワコンで稼働中のシステムの場合はどうすれば良いのでしょうか?実は、後付で大型パワコンのシステムでも小型パワコンのシステムのメリットを享受できる方法があります。それは、オプティマイザーというパワコンのMPPTに相当する機器をストリングに後付して個々の部分の最適化を行なう方法です。

オプティマイザーにも様々なタイプがありますが、弊社がお勧めする方式は2つのストリングを一つのオプティマイザーに入力する方式です。これにより10kW程度に分割された領域がそれぞれ最適化されますので、発電能力のバラツキによる損失を最小限にすることができます。この効果は障害物がある環境ほど顕著で、実績値で5~6%発電量が増えた例も報告されています。(ゴルフ場などの極端な場合では、さらに大きな効果が期待できます。)

5%と言うと少なく感じるかも知れませんが、20年間の運転で1年分の収益が増えるので無視できない金額です。融資返済中の5%の増加は非常に心強いものです。

オプティマイザーの設置コストは1万円/kW強なので、21円案件であれば約半年分の売電額、40円案件であれば3ヶ月分の売電額に相当する投資で1年分増える訳なので是非、心当たりの方には検討をお勧め致します。

オプティマイザーを用いる利点として、本来の最適化以外にも増設に関して大きなメリットがあります。上で軽く説明した様に2つのストリングを1つに束ねるので、接続箱への入力数を半分にすることができます。これにより、大幅な過積載が可能になります。(ヒューズやDCメインケーブルの確認は必要です。)

大型のパワコンを用いたシステムを運用中の方は是非、連絡を頂ければ幸いです。詳細検討を行い最適な改善策を提案致します。費用に関しても販売元でリース対応も行っているので、先ずはご連絡下さい。

株式会社I-S3
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