2017年5月12日金曜日

定量的な評価に基づく太陽光発電所の設計および評価

FIT開始直後に作られた発電所を中心に影の影響を過剰に評価したために、本来、設置可能なパネル枚数を大きく下回る設備が散見されます。もちろん、パワコンやMPPTの個数やDC回路設計により一概に言えない部分もありますが、基本的にはパネル枚数が多いほど発電量が多くなり、投資効率が良くなる傾向です。近年、過積載というキーワードで増設に注目が集まっている経緯は皆様御存知の通りです。

弊社では、PVSystという太陽光発電のシミュレーションソフトを用いて、様々な条件を考慮したシミュレーションサービスを提供しております。下の図は群馬県某所の500kWの発電設備のシミュレーションの例です。この現場では南側に家屋、鉄塔、電柱があり、西側にはコンクリートの塀があるという環境で、設備のどこか一部分は常に影になる条件です。尚且つ、土地が狭く北西下がりなので真冬には下段の一部が影になるという厳しめの条件でした。

回路設計を含めて色々シミュレーションを繰り返したところ、下図の様にパネルを詰め込む場合が最も発電量が多くなる事がわかりました。そこで、少しでも発電量を増やすために、横向き4段のパネルの上半分と下半分の回路を仕分けて、それぞれ別のMPPTに入力することで種々の要因による影の影響を最小限にする設計を採用しました。

この設備は昨年の4月に完成し、現在、当初の期待以上の発電パフォーマンスを発揮しています。

この例は発電所の建設前のものですが、運用開始後の設備に関しても、実際の測定と併せてシミュレーションを行なうことにより詳細な評価を行なう事ができます。増設や改修の検討、中古販売に先立つ設備の評価など様々な需要が想定されます。先ずは、お話だけでもお気軽にお問い合わせ下さい。

国内で、このような詳細なシミュレーションに基づく定量評価サービスを行っている事業者は決して多くはありません。しかし、FIT法により始まった太陽光発電業界の成熟化の流れの中で、シミュレーションと測定に基づく定量評価は欠かすことのできない重要な部分であると確信しております。当然、若干の費用は頂戴致しますが、普及のため、無理のない金額でサービスが提供できる様に努力して行きます。








障害物による影がかからないパワコン
障害物による影がかかる入力チャンネルがあるパワコン。回路分けが適切に行われているため、他のチャンネルの出力には影響を与えていない。


株式会社I-S3
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