2017年5月24日水曜日

業務としての太陽光発電所のデータの解析 : データ解析サービスおよび解析環境の構築サポート

太陽光発電所を適切に運用する為には、問題点を発見して迅速に対応していく必要があります。発電が完全に止まるような事象に関しては、気がつくのも比較的早く、きちんと修理がなされる場合が多いのですが、パワコンの停止までは至らない一部のストリングの問題に関しては、細かいデータ分析をしなければなかなか気がつく事ができません。その結果、それらの問題は長期間放置されることが多くなってしまいます。

多くの場合、遠隔監視システムを導入すれば、ストリング単位の情報をwebまたはwebからダウンロードしたデータの解析により確認することができます。しかし、実際には確認したい期間の必要な項目のデータを画面に表示させる為には、多くのボタンをクリックしたり選択をしなければならないので、大量のデータを業務として監視しなければならない場合には非常に困難な場合も多いです。この問題は気の利いたUI(ユーザーインターフェイス)が準備された監視システムになればなるほど顕著になります。

比較的規模の大きい事業者さんの中にはデータセンターと称して、秘密基地の様にパソコンの画面を沢山並べた部屋を用意されるところも見受けられますが、その方法では、椅子の数だけ人件費がかかってしまうので、とても効率的とは思えません。(個人的には、そういう少年漫画を彷彿とさせるインテリアは大好きです。)

規模の小さい工事店になると、そもそもデータ解析に人を割くことも困難ですし、パソコンの知識も不十分な場合が多く簡単なことではありません。また、中途半端にパソコンを使いこなせた場合には、エクセルなどのソフトを使おうとするあまり膨大な時間を浪費してしまうことも多いので注意が必要です。敢えて、誤解を承知で言うと、業務でのデータ解析にはエクセル(類似ソフト含む)は使用できません。業務が定形になるなら絶対に専用プログラムを使用すべきです。

webベースのUIがある場合でも、敢えてそれらは用いないでデータを直接扱った方が楽な場合があります。以下に、その例としてHuawei社製のパワコン(及びデータロガー)を用いた場合の例を示します。

データ自体はPCS1台につき1ファイルでそれぞれが4000行以上になるものです。(やる気が失せますよね。)

この現場ではPCSは16台あります。さらにそれぞれが圧縮形式になっており解凍(展開)せねばなりません。また、ファイル名も製品IDと取得時間で表現されているため1番から順に取得したとしてもPCSの番号と対応を付けて整理するのには大変な手間がかかります。同様の管理物件を多数抱えているような状況を考えると、とてもではありませんがファイルを一個ずつ処理する気にはなれません。



こんなときは、弊社では自作スクリプト一発で以下の様にファイルの解凍(展開)とわかり易い名前への変更を行います。(約1秒後)

表示は変換された結果:PCS名が明記されたわかり易い名前になっている。

これでわかり易い名前のファイルになりました。次はいよいよデータの範囲を指定してグラフの表示です。表示プログラムを実行して読み込むファイル名(PCS)を指定して日付を入力すると即座にグラフが表示されてストリング毎の電流値が確認できます。

ファイル名と日付の指定だけで瞬時にグラフが表示される。

ここまでの所要時間は約10秒。これなら業務として行なうこともできそうです。また、ここまで下準備ができていると別なPCSまたは別な日のデータの確認も瞬時に行なうことができます。

弊社では、太陽光発電に限らず素早いデータ解析の為の環境構築サポート及びデータ解析業務も行っております。上記をご覧になりご興味を持ちましたらお気軽にご連絡下さい。


株式会社I-S3
370-0831 群馬県高崎市あら町129-1 3F
TEL/FAX: 027-381-6583
s_masuda@i-s3.com

2017年5月12日金曜日

定量的な評価に基づく太陽光発電所の設計および評価

FIT開始直後に作られた発電所を中心に影の影響を過剰に評価したために、本来、設置可能なパネル枚数を大きく下回る設備が散見されます。もちろん、パワコンやMPPTの個数やDC回路設計により一概に言えない部分もありますが、基本的にはパネル枚数が多いほど発電量が多くなり、投資効率が良くなる傾向です。近年、過積載というキーワードで増設に注目が集まっている経緯は皆様御存知の通りです。

弊社では、PVSystという太陽光発電のシミュレーションソフトを用いて、様々な条件を考慮したシミュレーションサービスを提供しております。下の図は群馬県某所の500kWの発電設備のシミュレーションの例です。この現場では南側に家屋、鉄塔、電柱があり、西側にはコンクリートの塀があるという環境で、設備のどこか一部分は常に影になる条件です。尚且つ、土地が狭く北西下がりなので真冬には下段の一部が影になるという厳しめの条件でした。

回路設計を含めて色々シミュレーションを繰り返したところ、下図の様にパネルを詰め込む場合が最も発電量が多くなる事がわかりました。そこで、少しでも発電量を増やすために、横向き4段のパネルの上半分と下半分の回路を仕分けて、それぞれ別のMPPTに入力することで種々の要因による影の影響を最小限にする設計を採用しました。

この設備は昨年の4月に完成し、現在、当初の期待以上の発電パフォーマンスを発揮しています。

この例は発電所の建設前のものですが、運用開始後の設備に関しても、実際の測定と併せてシミュレーションを行なうことにより詳細な評価を行なう事ができます。増設や改修の検討、中古販売に先立つ設備の評価など様々な需要が想定されます。先ずは、お話だけでもお気軽にお問い合わせ下さい。

国内で、このような詳細なシミュレーションに基づく定量評価サービスを行っている事業者は決して多くはありません。しかし、FIT法により始まった太陽光発電業界の成熟化の流れの中で、シミュレーションと測定に基づく定量評価は欠かすことのできない重要な部分であると確信しております。当然、若干の費用は頂戴致しますが、普及のため、無理のない金額でサービスが提供できる様に努力して行きます。








障害物による影がかからないパワコン
障害物による影がかかる入力チャンネルがあるパワコン。回路分けが適切に行われているため、他のチャンネルの出力には影響を与えていない。


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2017年5月11日木曜日

ある日のパソコン画面

ある日の私のパソコンの画面です。さて、何ができるのでしょうか?
Macでターミナルが2つ開かれて何かをしているところです。右はローカル、左はGoogle Compute Engineにsshで接続している様です。


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2017年5月10日水曜日

工事風景:福島県二本松市

5月は例年、発電量が一番多い月です。皆様の設備の運転状況は如何でしょうか?

株式会社RGBの施工チームは現在、福島県で低圧の新設と高圧設備の増設工事を進めています。晴れると下の写真の様に澄みきった青空が広がる過ごしやすい季節です。写真の二箇所も今月中に連系し運用を開始致します。
下段からの撮影。崖の上にもパネルが設置されています。上の段に行くためには右奥の道を大回りしないと行けないので、低圧なのに歩く距離が多いです。



上段からの写真



もう一箇所の現場、車で5分くらいの距離です。



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