こんにちは。I-S3の益田です。
最近、同業の皆さまからこんな声をよく聞きます。
「キュービクルの見積もりが出ない」
「トランスの受注が止まっている」
理由は単純。
あの **トップランナー制度のおかげ(?)**です。
そして重要なのは、これは太陽光だけの話ではありません。
対象は:
✅ 10kVA以上
✅ 柱上変圧器以外
✅ ほぼ全業種・全てのトランス
つまり、日本中の工場・ビル・店舗・病院・公共施設・データセンターなど、社会インフラ全体に影響しています。
それなのに、市場は今、
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従来型トランスが「作れない」 
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新型トランスは「まだ出てこない」 
- 
見積もりは「出ない」 
という“沈黙の期間”に突入中。
沈黙のあとに来るのは――
重量と価格がパワーアップした新トランス(予定)。
いや、それ要ります?
だから、思いました。
「痛みを伴うなら、根拠ぐらい教えて欲しい。」
制度を否定したいわけではありません。
ただ、対象が広すぎる以上、疑問が出るのは自然なことです。
- 
本当にCO₂減るのか 
- 
低負荷で回収できるのか 
- 
効率改善と重量増のバランスは 
- 
誰が得をする制度なのか 
そこでまず、公開質問状を送付しました。
結果:制度上「答えられない」らしい
返ってきた回答はこうです。
制度の仕組み上、個別の質問には回答できません。
いやいやいや。
日本中で使われる10kVA以上のトランスの制度について、
「仕組み上答えられない」って、そんな設定資料が存在しないソシャゲみたいな話あります?
そこで私たちは、ここで終わりにしませんでした。
✅「答えられない理由」を文書で回答するよう正式に要求しました
「回答できない」という回答だけでは、回答になっていません。
そこで以下を求めました:
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制度上答えられない根拠となる条文・規定 
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どの法令に基づき、どの範囲の質問に回答できないのか 
- 
質問に回答できる窓口・制度・手続きは存在するか 
つまり、
「答えられない」なら、理由と根拠を明示してください。
という、極めて真っ当な要求です。
(こちらも現在、回答待ちです)
ならば次の手段:情報開示請求
公開質問は制度上回答できないとのことなので、
次は資料そのものを確認することにしました。
つまり、行政文書の開示請求です。
すると、資源エネルギー庁から封書が到着。
中身は――
■「開示期限の延長通知」
開示は 12月1日まで延期とのこと。
理由はこちら:
第三者提出資料を含み、
意見照会および不開示除外の精査に時間がかかるため
要するに、
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資料は確かに存在する 
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民間・業界団体等の提出物も含まれている 
- 
すぐには出せないレベルの内容 
ということ。
通知の実物はこちら →開示決定等の期限の延長について(通知)
可能性①:科学的根拠はしっかり存在 → それなら素晴らしい
その場合、当然こうなります:
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LCA計算の根拠 
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回収年数の試算 
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社会的メリットの分析 
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重量増・輸送・設置リスクの評価 
資料が揃っているなら、現場は納得できます。
「じゃあ重くても運びます!
腰を壊しながら頑張ります!」
可能性②:出せない理由がある → それはそれで非常に興味深い
たとえば:
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そもそも試算されていない 
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数字が都合よすぎて公開できない 
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特定団体の意見が強すぎる 
- 
資料が少なすぎる(最悪) 
もしそうなら、
重量増で肩を壊した現場の皆さんの心は少し軽くなるかもしれません(物理的には軽くならない)。
というわけで、次の山場は 12月1日
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公開されたら、中身を分析して報告します 
- 
不開示なら、その理由ごと報告します 
- 
それでも曖昧なら、審査請求へ進みます 
制度の透明性が高いほど、現場は安心できます。
透明性が低いほど、誰かが得をし、誰かが損をします。
私たちはただ、知りたいだけです。
「この制度、本当に地球のため?
それとも、誰か個別企業や公務員のため?」
12月に続きを報告します。
そのときはまた、面白い読み物にしてお届けします。
 
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