4月1日のFIT法改正の施行に伴い、既存案件(運転開始済みを含む)でも「みなし認定」という扱いで改正後のFIT法の適用になります。その為、新規案件と同様に「再生可能エネルギー発電事業計画書[みなし認定用]」を提出しなければなりません。(忘れずに提出を!!)
詳しくは、資源エネルギー庁の「
なっとく再生可能エネルギー」のページを見て頂ければ良いのですが、ここでは既存案件をお持ちの方に関係しそうな部分、特に発電所の維持管理や保守点検に関係がある部分に関して解説致します。
先ず、表1の1で早速「事業計画策定ガイドライン」に従って適切に事業を行なう事が求められています。ガイドラインの中身は表1との重複も多いですが、要は既存案件に関しても新ルールが適用され、同意を求められているという点には注意が必要です。特に、既存案件の場合には簡易な事業計画書1枚の提出で済んでしまうので、いつの間にか知らないルールが適用されているという状況になりかねません。当然、法律を根拠としているので、違反があった場合には経産省から
改善命令が出たり認定の取り消しをされたりする可能性もあります。
FIT法改正に伴う具体的な要求事項は 表1の2~10になります。(「事業計画策定ガイドライン」で詳細の解説がなされています。)
ざっと項目を整理すると以下の様になります。
- 適切な保守管理(O&M):表1-2
- フェンスの設置:表1-3
- 標識(看板)の設置:表1-5
- 正確な情報の報告義務:表1-6
その他、法令遵守や事業終了後の処分などの重要事項も含まれますが、先ずは上に書き出した項目について考えます。
フェンスと標識に関しては、新規案件は運用開始後速やかに設置することが求められていますが、既存案件(みなし認定とされる案件)では法律が適用されるようになった日から1年の猶予が与えられ、その期間での設置が求められています。つまり、
平成29年度中に設置しなければならないということです。
O&Mと報告に関しては、詳しくはガイドラインに書かれてあります。これは必ずしも専門業者に委託しなければならないというものではありませんがこれは必ずしも専門業者に委託しなければならないというものではありませんが、「安定的かつ継続的」に事業を行なう為には最低限、以下の3点が確保されている必要があるのではないかと思います。
- 遠隔監視を含む継続的な監視体制
- 定期点検
- 迅速に修理を行える体制
これらを考えると、低圧など小規模な事業者(個人を含む)が20年という長期に渡り上記を継続していくのは中々大変なのではないかとは思います。
是非、この機会に身近な専門業者を当ってみるのも良いのではないでしょうか?
表1. 再生可能エネルギー発電事業計画書で同意を求められる事柄
1 | 事業計画策定ガイドラインに従って適切に事業を行なうこと。 | □ |
2 | 安定的かつ継続的に再生可能エネルギー発電事業を行なうために発電所を適切に保守点検及び維持管理すること。O&M | □ |
3 | この事業に関係ない者が発電設備にみだりに近づくことがないように、適切な措置を講ずるうこと。フェンス設置 | □ |
4 | 接続契約を締結している一般送配電事業者又は特定配送電事業者から国が定める出力抑制の指針に基づいた出力抑制の要請を受けたときは、適切な方法により協力すること。 | □ |
5 | 発電設備又は発電設備を囲う柵塀等の外側の見えやすい場所に標識を掲示すること。標識(看板)の設置 | □ |
6 | 再生可能エネルギー発電事業に関する情報について、経済産業大臣に対して正確に提供すること。正確な情報の報告義務 | □ |
7 | この再生可能エネルギー発電事業で用いる発電設備を処分する際は、関係法令(条例を含む。)を遵守し適切に行なうこと。 | □ |
8 | この認定の取得から3年以内に運転を開始できない場合には、変更された調達期間によりこの再生可能エネルギー発電事業を行なうこと。[10kW以上の太陽光発電の場合のみ] | □ |
9 | 再生可能エネルギー発電事業を実施するに当たり、関係法令(条例を含む。)の規定を遵守すること。 | □ |
10 | 発電開始前から継続的に源泉等のモニタリング等を実施するなど、地熱発電を継続的かつ安定的に行なうために必要な措置を講ずること。[地熱発電の場合のみ] | □ |
株式会社I-S3
370-0831 群馬県高崎市あら町129-1 3F
TEL/FAX: 027-381-6583
s_masuda@i-s3.com